売掛債権を使って、売掛前に資金を得られるのがファクタリングです。
そのファクタリングに似ているシステムに、併存的債務引受方式があります。
どちらも売掛債権を別のところに引き取ってもらって、その代わりに資金を受け取る仕組みです。
ただ仕組みは似ているものの、実際には明確な違いがあります。
サービスの提供者が違う
ファクタリングと併存的債務引受方式はどちらもサービスを使用しますが、そのサービスの提供者が違います。
ファクタリングサービスを提供するのは、ファクタリング会社です。
それに対して併存的債務引受方式は、銀行などの金融機関が提供します。
金融機関が、事業の一部としてファクタリングサービスを提供する事は可能です。
けれどその逆、金融機関でないファクタリング会社が、併存的債務引受方式を提供する事はできません。
取引先が契約に加わるかどうかが違う
ファクタリングでは、二者間契約と三者間契約を選ぶ事ができます。
取引先が契約に加わらない二者間契約を結んだ場合、取引先に確認しなくてもファクタリングを利用できます。
それに対して併存的債務引受方式では、取引先が必ず契約に加わらなければなりません。
つまり二者間契約という選択肢はなく、自然と三者間契約になります。
なので取引先に知らせずに、売掛債権を金融機関に売却してしまうという事ができません。
売掛金が回収できなくなった時の負担も違う
売掛債権は、取引先が倒産してしまったら、売掛金を回収できないというリスクが付いています。
ファクタリングの場合は、売掛債権を売却したら、そのリスクはファクタリング会社に移ります。
もし取引先が倒産しても、ファクタリングサービスを利用する側が回収できない分を負担する必要はありません。
けれど併存的債務引受方式だと、サービスを利用する側が負担しなければならない事があります。
まとめ:一緒にしてしまわないように
ファクタリングと併存的債務引受方式は、どちらも売掛債権を期日前に現金化できます。
けれど、どちらかしか選べないような状況はあります。
また自らの負担の有無が異なるのも大きな違いです。
なので、完全に同じ物だと考えないようにしましょう。